漢字の成り立ち4つの種類 難しい漢字も成り立ちが分かると読めるようになる

漢字の成り立ち4つの種類 難しい漢字も成り立ちが分かると読めるようになる

更新:2026-10-11

漢字は、ただの記号ではありません。一つひとつに、形や意味の組み合わせから生まれた成り立ちがあります。成り立ちが分かると、はじめて見る難しい漢字でも「たぶん魚の名前だな」「音読みはこれかな」と見当がつくようになります。

このコラムでは、漢字の成り立ちの代表的な4つの種類を、むずかしい漢字図鑑に出てくる漢字を例にして紹介します。

漢字の成り立ちは「六書」で分けられる

漢字の成り立ちは、昔の中国の字書『説文解字(せつもんかいじ)』にまとめられた六書(りくしょ)という6つの分け方で説明されることが多いです。

このうち、字の「作り方」にあたるのが最初の4つです。順番に見ていきましょう。

1.象形文字 ものの形から生まれた字

象形文字は、絵のように、ものの形をかたどって作られた字です。「山」「川」「日」「月」「魚」「鳥」「馬」などがそうです。

難しい漢字の部首にも、象形文字がたくさんあります。たとえば「虫」はへびの形、「魚」は頭とひれのある魚の形、「鳥」は羽を休める鳥の形からできました。部首を見れば、その漢字がどんなものを表しているかの手がかりになります。

2.指事文字 しるしで表した字

指事文字は、「上」「下」「本」「末」のように、形のないことを点や線のしるしで表した字です。「本」は木の根もとに、「末」は木の先に横線のしるしをつけて作られました。数は多くありませんが、ほかの字の部品になっていることがよくあります。

3.会意文字 意味を組み合わせた字

会意文字は、意味を持つ字を組み合わせて、新しい意味を表した字です。「林」(木+木)、「休」(人+木)、「鳴」(口+鳥)などがあります。

日本で作られた漢字=国字には、この会意文字がとても多いのが特徴です。

意味を組み合わせた字なので、パーツの意味を考えると読み方や意味を思い出しやすくなります。国字の多くは訓読みしかなく、音読みがありません。

4.形声文字 意味+音の組み合わせ

形声文字は、意味のグループを表す部分と、音(読み方)を表す部分を組み合わせた字です。漢字の大部分(8割以上ともいわれます)が、この形声文字です。

たとえば、魚へんの漢字を見てみましょう。

左側の「魚」「虫」がどんな生き物かを、右側が中国での音を表しています。日本ではこれらの字に「さば」「たい」と訓読みを当てたため、右側から読み方を当てることはできませんが、音読みの見当をつけるときにはとても役立ちます。「鯖」はセイ、「鯛」はチョウ、と読むことができます。

成り立ちを使って難しい漢字を読むコツ

部首で「グループ」をしぼる

魚へんなら魚や海の生き物、虫へんなら虫・へび・かえる・貝など、木へんなら木や植物、と部首でおおよそのグループが分かります。動物・魚・植物のテーマ別クイズで、部首ごとの傾向をつかんでみましょう。

右側の音で音読みを推理する

形声文字なら、右側の字の音読みがそのまま、または似た音で読めることが多いです。「蜻蛉(せいれい=とんぼ)」「蟷螂(とうろう=かまきり)」のように、難しい2字熟語も音読みで読めることがあります。

国字は意味を組み立てる

見たことのない字が日本の生き物や自然を表していたら、国字かもしれません。パーツの意味を組み立てると、読み方を思い出す手がかりになります。

部首で見当をつける早見表

難しい漢字の多くは形声文字なので、左側やかんむりの部首を見れば、どんなものを表す字かの見当がつきます。

部首表すもの例
魚へん魚・海の生き物鰯(いわし)・鯖(さば)・鰹(かつお)
虫へん虫・へび・かえる・貝蛙(かえる)・蛸(たこ)・蝉(せみ)
鳥・隹鳥鴎(かもめ)・雀(すずめ)・鷺(さぎ)
けものへんけもの狸(たぬき)・狼(おおかみ)・狐(きつね)
木へん木・木でできた物椿(つばき)・楓(かえで)・柊(ひいらぎ)
くさかんむり草花・野菜蕪(かぶ)・韮(にら)・薺(なずな)
雨かんむり天気・気象霙(みぞれ)・霰(あられ)・靄(もや)
金へん金属・道具錨(いかり)・鋏(はさみ)・鍬(くわ)

部首が分かるだけで、クイズの答えをぐっとしぼり込めます。花・植物、天気・季節、道具・身の回りのテーマで、部首に注目しながら挑戦してみてください。

よくある質問

Q.形声文字と会意文字は、どうやって見分けるの?

A.右側(または下側)の字の音読みが、その漢字の音読みと同じか似ていれば形声文字の可能性が高いです。「鯖(セイ)」の「青(セイ)」のように音が合わず、パーツの意味を組み合わせると意味が通るなら会意文字です。ただし、両方の性質をあわせ持つ「会意形声」の字もあります。

Q.国字にはどんなものがありますか?

A.峠・畑・榊・鰯・凪のほか、「働(はたらく)」「込(こむ)」「枠(わく)」など、ふだん使う字の中にも国字があります。国字のクイズで、日本で生まれた漢字をまとめて読んでみましょう。

漢字の古いふるさと 漢文で『論語』を読んでみる

漢字の成り立ちをたどると、そのほとんどが古い中国の言葉に行きつきます。昔の人が漢字でどんな考えを書き残したのかを知ると、一つひとつの字の意味がぐっと身近になります。

『論語』の全文を、ていねいな現代語訳で読めるのが、九去堂さんの『論語』全文・現代語訳です。一つの章ごとに、原文・書き下し・現代語訳と、漢字の意味や文法の説明まで並んでいて、漢文がはじめての人でも読み進められます。「論語の成立過程まとめ」や、「孔子の年収はいくらぐらいか」のような読みものもあり、2500年前の言葉と人物を身近に感じられます。

故事成語が生まれた時代を知るなら

漢字の熟語や故事成語にも、古い中国の出来事から生まれたものがたくさんあります。古代中国の歴史を人物ごとに紹介しているいにしえ中国史の「屈原!名言漁父投江、楚辞離騒漢詩、史記故事ちまき、横山大観代表作」では、楚の王に忠告しても聞き入れられず、川に身を投げた詩人・屈原(くつげん)の生涯と、代表作『離騒(りそう)』が収められた『楚辞』を紹介しています。端午の節句にちまきを食べる風習が屈原をしのぶ話につながっていることや、懐王(かいおう)・張儀(ちょうぎ)といった人名に読みがながそえられているので、むずかしい漢字の名前にも親しみながら読めます。

成り立ちを意識してクイズに挑戦

参考:六書の分類は『説文解字』の序に基づく一般的な説明、国字の成り立ちは日本語版Wikipedia「国字」「和製漢字」などの記事をもとにまとめました。字の成り立ちには諸説あります。

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